このページでは、民泊の開業をお考えで要件をお調べになろうとなさる皆様のために、旅館業法から簡易宿所の許可申請で実務的に有益と思われるものだけを抜粋して掲載し、必要に応じて解説を加えています(文末の黄色枠コメントも参照願います)。

1.法の趣旨と目的

第一条  この法律は、旅館業の業務の適正な運営を確保すること等により、旅館業の健全な発達を図るとともに、旅館業の分野における利用者の需要の高度化及び多様化に対応したサービスの提供を促進し、もつて公衆衛生及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。

基本的に、法律は、第一条には目的や理念を記しており、旅館業法も同様に、立法の目的が記載されています。許認可に携わる資格者は常に心に留めておかなければならない条文と言えるでしょう。

旅館業の種類

第二条  この法律で「旅館業」とは、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業及び下宿営業をいう。
(中略)
4 この法律で「簡易宿所営業」とは、宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のものをいう。
(中略)
6 この法律で「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。

旅館業法では、ホテル営業、旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業の四つの種類が規定されています。逆に考えると、それ以外の、例えばいわゆる「ラブホテル」と言われる施設は、風俗営業法に定められた「店舗型性風俗特殊営業」の一つとなります。

旅館業を行うためには、施設が必要になります。それがどのような施設かによって、上記の四つに分類されることなります。ごく簡単に言えば、ホテル営業は洋式、旅館営業は和式の宿泊施設で、簡易宿所と下宿営業以外のものとなります。

そして、「簡易宿所営業」の概念ですが、下宿営業以外のもので、寝具を利用する場所を多人数で共用する施設と定義されています。

文言通りに考えれば、いわゆる相部屋を想定していたのではないかという気がします(私見)。正確に言えば、相部屋までを想定していた、ということになるでしょう。

このあたりの区別は理解しづらく、曖昧にも思えますので、大枠を掴めば十分でしょう。

許可が必要であること

第三条  旅館業を経営しようとする者は、都道府県知事(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市長又は区長。第四項を除き、以下同じ。)の許可を受けなければならない。ただし、ホテル営業、旅館営業又は簡易宿所営業の許可を受けた者が、当該施設において下宿営業を経営しようとする場合は、この限りでない。
(中略)
3 第一項の許可の申請に係る施設の設置場所が、次に掲げる施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。以下同じ。)の周囲おおむね百メートルの区域内にある場合において、その設置によつて当該施設の清純な施設環境が著しく害されるおそれがあると認めるときも、前項と同様とする。
一  学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第一条 に規定する学校(大学を除くものとし、次項において「第一条学校」という。)及び就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 (平成十八年法律第七十七号)第二条第七項 に規定する幼保連携型認定こども園(以下この条において「幼保連携型認定こども園」という。)
二  児童福祉法 (昭和二十二年法律第百六十四号)第七条第一項 に規定する児童福祉施設(幼保連携型認定こども園を除くものとし、以下単に「児童福祉施設」という。)
三  社会教育法 (昭和二十四年法律第二百七号)第二条 に規定する社会教育に関する施設その他の施設で、前二号に掲げる施設に類するものとして都道府県(保健所を設置する市又は特別区にあつては、市又は特別区。以下同じ。)の条例で定めるもの
(以下省略)

簡易宿所の経営をするには、都道府県知事等の許可が要ります。京都では市長になります。そして、敷地100メートル以内(京都市では110メートル以内)に学校等がある場合は、学校長等の意見を事前に求める必要が出てきます。実務ではこれを学校照会と呼んでいます。

その他

その他、様々な規定がありますが、旅館業法の許可申請で実務的に大事になってくるのはおよそ上記の条文と言えるでしょう。
ご参考になさってください。

法令の一部しか解説していないのは、解説者が実際の実務でよく使う条文に限って紹介しているためです。本来的にはどの条文も重要で理解すべきであることは言うまでもなく、本稿はあくまで参考としてお考えください。