6月 9th, 2015|ブログ|

 交通事故の後遺障害等級認定は、労災の基準を利用して行われます。ですので、出てくるのは「機能障害」「運動障害」など、専門用語が満載になっています。

 しかし、交通事故の後遺障害で大切なことは、お怪我をなさった後の「なんか変だ」という感覚をしっかりと調べ上げることなのです。

 一箇所大きなお怪我をなさると、どうしてもそこばかりに注意が引きつけられ、他の後遺障害が見逃されてしまう可能性があります。

 そこで、当事務所では、ホームページ内で詳細な解説を行いつつ、ブログでは、平易な言葉で「何か変だ」のサインを探すお手伝いをしていきます。

 第一回目の本稿では、目のお怪我と後遺障害を取り上げます。なお、瞼の後遺障害については別稿で取り扱います。

  • 視力が悪くなったことを「視力障害」という。
  • 焦点が合いづらくなったことを「調節機能障害」という。
  • 眼球が動きづらくなることを「運動障害」という。
  • 1点を見つめた際、視野が狭くなった場合を「視野障害」という。

目の後遺障害-総論

眼球検査 交通事故で目をお怪我なさった場合、後遺障害として認められるのは、「視力障害」「調節機能障害」「運動障害」「視野障害」の4種類が原則です。他に、瞳孔が常時開いた状態になる「散瞳(さんどう)」も後遺障害として認定され得ます。一方、左側だけが見えなくなる半側空間無視の場合や、めまいについては、神経系統の障害として概念されています。
 ここでは、目の後遺障害として認定され得る症状について概観していきましょう。

視力障害

 視力障害は、その文字のとおり、視力が障害されること、つまり、ひらたく言えば「目が悪くなる」ことです。
 交通事故受傷で視力障害を引き起こす原因には、眼球そのものがダメージを受ける場合だけでなく、視神経が損傷された場合が考えられます。
 まれにむち打ちの症状で視力低下を訴える方がいらっしゃいますが、他覚所見のないむち打ち「外傷性頸部症候群」で視力障害を認めさせるのは非常に困難です。

 視力障害は、矯正視力をベースにします。つまり、裸眼ではなくメガネやコンタクトレンズを装着した状態で視力検査を行うことになります。

 眼球そのものを強打してはいなくとも、脳への衝撃によって視神経が損傷し視力障害が起こるケースも考えられますので、目が悪くなったと感じられた場合、専門家にご相談なさるとよいでしょう。

調節機能障害

 調節機能障害とは、目のピントを合わせることができる範囲が狭くなる障害です。ある意味では視力障害の一種と言えるでしょう。
 後遺障害の判定については、片目だけが受傷した場合は健康な目との比較で行い、両目とも受傷している場合は、調節力を定めた表との比較で判断します。
 この調節機能障害は、視力が落ちた時のように直接的に分かるより「なんか変だな」という感覚的なところで異常を感じられる場合も少なくありません。
 受傷時の状況や受傷部位も等級認定に影響しますので、心当たりがある場合、医師や後遺障害立証に詳しい専門家のアドバイスを受けるのも一つの方法です。

運動障害

 運動障害には、二つの類型が定められています。まず、頭を固定して眼球だけを動かしてキョロキョロした時に直視できる範囲が狭くなる障害です。次に、物が二重に見えてしまう複視です。
 複視はテレビや映画のシーンで見られるように、物が二つに見えてしまう症状ですので、自覚症状があるはずですし、自覚していることが当然後遺障害の要件となります。
 一方、直視できる範囲が少なくなる障害については、頭を動かせば見ることができますので、明確に自覚しにくい場合があるかもしれません。

視野障害

 視野障害とは、一点を見つめた時に見える範囲が狭くなる障害です。日本人の平均値が出されており、その平均値の6割以下の視野であった場合後遺障害が認定され得ます。

まとめ

 交通事故で考えるべき後遺障害というのは、骨折など、分かりやすいものばかりではありません。むしろ、たとえば骨幹部の骨折であれば、綺麗に骨がくっつけば障害は残らないことが一般的です。

 交通事故の後遺障害を認められるようにするには、受傷時の状態やその後の治療の経過を整理した上で、どのように対応していくべきかを考えることが肝要となります。

 そして、それらを整理し、等級認定に向けて進んでいくためには、専門家のアドバイスが有効であることは、申し上げるまでもありません。

 当事務所でも各種のご相談を承っておりますので、お気軽にご活用くださいませ。

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