8月 6th, 2015|ブログ|

 近時、設立登記を1円で、あるいは無料で行うと言うサービスが存在します。しかし、会社設立というのは簡単なものではなく、代理で行うともなれば大きな責任が伴います。
 それを無料で…というからには、必ずからくりがあるはずです。

 例えば、大手の家電量販店では、「パソコンが1円」という値段がついていたりします。けれど、よく説明を聞いてみると、その代わり毎月5,000円程度かかる通信会社のサービスを2年間契約しなければならない、と言う仕組みになっています。つまり、ある意味では、そのパソコンは12万円の値がついているわけです。もちろん、通信サービスを有効に使うためにそのパソコンを購入するには好都合でしょう。しかし、違約金の存在なども考えると、結局普通に買う方が安上がり、と言う感覚になるのではないでしょうか?

タダより恐いものはない?-甘い言葉にご用心-

 では、「会社設立0円」や或いは「1円」にはどんなからくりが働いているのでしょう。このサービスの多くは会計事務所や税理士事務所が行っています。
 設立後に顧問契約を結ぶことを条件としてこの値段を打ち出している訳です。その月額顧問料は事務所によってまちまちとは思いますが、概ね月七千円から一万円です。これに決算に関する報酬が別途必要になってくるケースがあるでしょう。また、契約ですので、やはり年数に関する拘束が盛り込まれていると思われます。たった一ヶ月で解約されたら赤字なわけですから当然でしょう。
 また、最近ではこの種のサービスでさえ競争が激化し、一年目の決算に関する報酬を無料にしている処もあります。けれど、2年目以降は通常の顧問契約に基づく報酬になるケースも多く、契約には注意が必要です。

 この種のサイトでは、「0円で設立」というキャッチフレーズは大きく、しかも至る処に掲載されていますが、その後の流れや縛りについては、かなり薄目の色かつ小さな文字で書かれていることがままあります。

さらに現れた、新手の『実質0円』

 また、会計事務所の顧客獲得競争は日々激しさをまし、直近では新しい『実質0円』の謳い文句が登場しています。これは、「ご自身で紙で定款を作成して全てやった場合の費用」と「当事務所に依頼した場合」を比較し、電子定款認証で4万円の収入印紙を節約してその4万円をほぼ全額報酬として請求し『実質0円』と謳っています。

 わかりやすく申し上げますと、個人で定款認証するなら大抵は紙で定款を作ることになります。紙で定款を作成すると、収入印紙4万円を貼らないと認証できません。電子定款認証なら、定款は紙ではなく「データ」になりますので、4万円の収入印紙を貼る必要がなくなります。その4万円を報酬として請求することにより、実質は自分でやるのと代わらない=0円と言う論理を組んでいるのです。

 このインセンティブは、会計事務所だけでなく行政書士事務所でも散見されます。

 しかし、この種のサイトでは、個人であっても電子定款認証をやれることは、ほとんど記載されていません。当ウェブでは、acrobatと電子証明書付住基カード等が揃えば自分でできることを『株式会社設立にかかる諸費用』でご説明しております。

 そして、当サイトの報酬は電子定款作成代理と認証だけであれば21,000円。先ほどの論理で述べると『実質19,000円のキャッシュバック』とも言える訳です。もちろん、当サイトでは、そんな訳の分かりづらい説明をすることはありません。

会計事務所の『実質0円』をどう考えますか?

 会計事務所の『実質0円』は、顧問契約獲得のインセンティブであり、その内容を精査しておくにこしたことはありません。しかし、会社を経営するとなれば、税務的にバックアップして下さる専門家の存在は心強いものがあり、このサービスをどのように使うかは、或いは使わないかは、お客様の今後のビジネスプラン次第と言うことになります。
 ウェブサイトの数が多すぎて検討も大変かも知れませんが、色々な処をご覧になり、実際に一度お会いなされた上でお決めになるとよいのではないかと思います。

 ちなみに、設立後にも様々なDMが送られてくる世の中になっていますので、コラム「設立後に届くDMの数々」もあわせてご一読頂きますと、設立後のイメージをより具体的にご理解頂けるのではないかと思います。

最後までお読み頂いてありがとうございます。
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