6月 30th, 2016|ブログ|

 今日は、自己弁護じみた雑感ブログです。

 ある手続において、私は不動産の選定から関わりました。
 非常に良い物件があり、条件はほとんど満たしていたのですが、明らかに建築基準法に違反している箇所が一つだけありました。
 私は、この物件は不適当であると考え、その旨を依頼者にお伝えしました。

 物件選定において大きな指針となっていたのは「新耐震基準を満たすもの」ということでした。
 担当部署は、それを担保するため、少なくとも新耐震基準にそった建築確認申請が行われていることが分かる書類(建築概要書)の提出を求めてきました。
 これは、当然です。しかし、より厳密に求めるなら、検査済証の提出が必要なはずです。しかし、今回携わった管轄の部署ではそこまでは求めていない、というお話しでした。
 現地確認へ行き、物件と建築図面を見た瞬間、私は「まずいな」と思いました。
 明らかに違っている。どうすべきなのか。

 担当部署は建築概要書の提出で構わないと言っている。建築審査課では、新耐震基準を満たしているかどうかの判断などしない。つまり、決断しなければならないのは、事業者なのです。
 建築士の意見も聞きました。誰もが確たる答えを出しません。出せる訳がない。
 確たる答えを出すためには、構造計算をし直す必要がある。けれど、それにはかなりの出費が必要になる。

 通るかも知れないが、リスクがある。

 そのリスクとは何なのだろうか、と私は考えました。
 新耐震基準が求められているということは、地震でも崩壊しにくい建物で運営すべきという考えの現れでしょう。
 つまり、最悪の事態になった時、人を守れるかということではないか、私はそう考えました。仮にとてつもない地震が起こって、その事業所から不幸な事態が発生してしまった場合、私が親であれば、事業主に過失がなかったかを徹底的に争うでしょう。
 そうなったとき、事業主は、責めを負うことにならないか。もっと言えば、命は救えたということにはならないのか。

 私は、自分の判断が間違っていたとは思っていません。他の資格者なら通した物件だったかもしれないと何度も思いました。けれど、それを通すことが世の中のためになるのか、と考え直し、自分の判断を自分で納得させようとしています。

 どんな仕事にも職業倫理があって、誰であっても、自分の倫理観と折り合いのつけどころを探さなければならない瞬間があるのでしょう。
 事業主様も懸命に物件を探していらっしゃり、心苦しい思いは今もぬぐえません。

 早く事業が開始できますように。

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