11月 18th, 2013|ブログ|

 今日は、人気ドラマ『リーガルハイ』の第6話に出てきた養子縁組について検討します。

  • 子をもつ親が誰かの養子になったとしても、その子と縁組み上の親(養親)に法律上の親族関係は発生しない。
  • 未成年は原則として、いきなり養子縁組届を提出できない。

幸せの食卓

マユズミ先生の書いていた書類

 若き頃に比べ美しさ倍増の鈴木保奈美さん演じる女性が一妻多夫制を主張、岡田将生氏演じる羽生弁護士が巧妙に崩すも、最後は古美門先生の養子縁組という裏技??にしてやられ、鈴木保奈美さん演じる女性はめでたく一妻多夫制を維持する…こんなお話しでした。

 私は雑用しながら見ていたので、最後にマユズミ先生が泣きながら書いていらっしゃったという書類を見てびっくり!

「いきなり養子縁組届かいな!」と思ったわけです。

 録画を見ていたので、もう一度養子縁組の説明シーンを再生してみると、あーーーなるほど。鈴木さん演じる女性は、子ども達と養子縁組したのではなく、内縁の夫3人を養子にしたという構成にした訳ですね。

養子縁組届で驚いた理由

 なんとなくテレビを見ていた私は、てっきり女性が子ども達と養子縁組をされたものだと思っていたのです。
 血縁関係にない未成年と養子縁組する場合、まずは家庭裁判所の許可を受ける必要があり、マユズミ先生が書くべき最初の書類は、家庭裁判所に提出する「養子縁組許可申立書」だったはず。許可をおろした上で泣きながら「養子縁組届」を書くって、そりゃ分からないでもないですが、いかがなものかな、と。

 それで見直すと、女性と縁組みするのは内縁の夫3名だった。つまり、夫ではなく「養子」として自分の戸籍に迎え入れる。
 な~るほど。やるじゃん、古美門先生。「これで私たちは完全な家族」って女性が勝利宣言、みんなイェーーって。

 でも、ちょっと待った。確かに、この3名の男性は兄弟となり、(ここで書くのも憚られますが)それぞれが自分の養親と肉体関係を持つという超いびつな関係にはなるけれど、法的には家族となる。けれど、ほんとにそれだけで完全な家族でしたっけ?

養親と縁組み前に生まれていた養子の子との関係

(嫡出子の身分の取得)
第809条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。

 民法809条で養子縁組の効力が定められており、養子は、縁組みの日から嫡出子の身分を取得することになるので、縁組み前の子と養親に、法律的な家族関係は発生しない。すなわち、3名の男性が養子縁組をしても、連れ子だった子どもと鈴木保奈美演じた女性は、まだ他人のままなのです。

 女性と子ども達との間に法的な血族関係を発生させるには、やはり養子縁組を行う必要があり、それには家庭裁判所の許可が必要となります。

ドラマにケチをつけるようですが

 さわやかで優しい、帰国子女の羽生弁護士に肩入れしている私としては、この構成にどうしてもケチをつけたくなります。

 マユズミ先生が泣きながら書類を準備したのは羽生先生とフットサル場で会った後のこと。そこから準備して家庭裁判所の許可を得るには最低でも一ヶ月かかるはず。また、このストーリーでは、女性と子どもの血族関係がフォーカスされていたことを考えると、男性3人と養子縁組して「完全な家族」というのは、ちょっと外してませんか?

まとめ

 もちろん、このように書くと、マシンガンのような反論が古美門先生から返ってくることでしょう。フィクションな訳ですから、家裁の許可はしっかり取っていらっしゃり、取れた上で、心の優しいマユズミ先生は再び泣きながら最後の仕上げをなされたんでしょうね。

 また、さらに突っ込むと、養子になった男性の実母が「養子縁組無効確認の訴え」を起こせば勝てる見込みはあるでしょうが、このドラマでそこまで突っ込みを入れるのは野暮ってもんでしょう。今回のストーリーで大切だったのは養子縁組でもなんでもない。「男性三名と関係を持てる鈴木保奈美さんが綺麗過ぎる件」とか、そんなまとめでいいんじゃないでしょうか。

 ところでマユズミ先生、家裁への申立は全て同日になされたんでしょうか?そんな無茶な申立を一気に行うなんて相当勇気のいる行為。気の小さい私は、そこが一番気になりますね。

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