11月 24th, 2016|ブログ|

 京都市内で、11月からチラホラ聞こえていた旅館業に関する新指導要綱(京都市旅館業施設における安心全及び地域の生活環境と調和確保に関する指導要綱)が12月1日から実施される、というリーフレットが保健所にならびはじめました。
 正直なところ、実務屋としてはもう少し早くアナウンスしてほしかったところですが、申請できるものについては全て処理できる目処がついてホッとしています。

 今日は、これから民泊を検討なさる皆様にとっても、私たち実務従事者にとっても非常に影響の大きいこの指導要綱実施について検討していきます。

  • 旅館業計画についての看板の設置が義務づけられる。
  • 近隣住民への説明の先行が義務づけられる。
  • 書類が増える。

旅館業新指導要綱

制定日等

 この指導要綱は、PDFファイルによると平成28年11月17日に制定されたようです。それで12月1日施行というのは本当に実務家泣かせと思えます。
 しかも広報資料としてホームページに掲載されたのは11月22日、非常に厳しい日程となっています。

主なポイント

 指導要綱の主なポイントは次のとおりです。

規約・制約の確認と遵守(第4条)

 これは、賃貸物件の家主が簡易宿所営業を許諾しているかどうかを確認したり、分譲マンションの規約提出を義務づけることにより、権原が定かでない施設の許可を防ぐという狙いがあるのでしょう。
 これまでは、旅館業の許可申請には賃貸借契約書の提出さえも不要でした。つまり、施設所有者が誰かは問題にはならなかったのです(とはいえ、消防法令適合通知書交付申請時には必要であったため、消防側でセーフティネットの機能は果たしていた)。

 これからは、不動産の登記事項証明書と申請者をつなぐ書類が必要となります。所有権の登記名義人と申請者が同じなら問題ありませんが、違う場合は賃貸借契約書等が必要になってきます。

 京都市では帳場の関係もあってマンションでの簡易宿所申請はハードルが高いのですが、分譲マンションでの簡易宿所許可申請を視野に入れたものなのか、少し興味がありますね。

計画の公開(第5条)

 これは相当のインパクトですね。申請の20日前から計画を公開し、標識(いわゆる看板)を設置しなければならず、設置後は市長への報告が必要となります。同時に、自治会長へ説明しなければなりません。この標識は、許可取得まで公開を続ける必要があります。
 …闇民泊が返って増えることにならなければよいのですが(笑)。
 この「計画の公開」はなかなかやっかいです。

 今まではこのような規定はありませんでした。建築基準法に準じたものなのでしょうけれど、建物の高さ!まで記載するようになっていますね。正直言って、こういう要素は省略すべきだったと思えます。

許可後の連絡先周知(第6条)

 許可を取得した後は、自治会等へ連絡先を周知しなければなりません。これは改良といえる条項です。
 今の民泊が抱える問題は、施設の連絡先が近隣に周知されていないという点です。ですので、頻繁に場所を聞かれたり、ゴミが散らかっていても、直接苦情が言えない。
 指導要綱の施行を機に、こういったトラブルは減っていくことが期待されます。
 もちろん、事業者には負担になりますが、近隣に迷惑をかけないためにもこれは必要な規定と言えるでしょう。

調査の明確化(第5章)

 今回の指導要綱では、営業者に対する調査に関する記述が明記されました。市は事業者に報告を求めることができる他、必要に応じ立入調査をさせると記載されています。
 但し、この調査に強制権がなく、任意の協力に基づくものであることも明記されています。

無許可営業への措置(第6章)

 これは違法民泊をしている方々にとってなかなかのインパクトですね。
 無許可営業者には張り紙しますと宣言していらっしゃいます。また、警察への告発も行うと。張り紙されてそれを無視しているとちょっとやっかいなことになっていくかもしれません。
 許可を取ろうとする人に対しても厳しい基準を設定した訳ですから、無許可営業の人を放置しておくと、バランスが取れません。これをどの程度運用していくのか、注視しておく必要がありますね。

まとめ

 本稿では、平成28年12月1日からの施行が決定した「京都市旅館業施設における安心全及び地域の生活環境と調和確保に関する指導要綱」について、実務的にインパクトのある条文を抜粋する形で概括しました。

 影響の大きい所ですので、逐条でも検討していきたいと思いますが、年末に差し掛かっていますので、それはまた別の話し、ということで。

最後までお読み頂いてありがとうございます。
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