10月 18th, 2012|ブログ|

 僕が日本のサッカー、サッカー界をネーミングするなら、「ボーイスカウトサッカー」と名付けるだろう。
 今日は、ブラジル戦の雑感です。

 サッカーは至福のスポーツだ。笑みを絶やさず人間離れしたプレーを連発するロナウジーニョ、スロー再生しても真似できない足技でファンを魅了するロナウド、凄すぎて何が凄いのかわからないメッシ。一方、優雅な身のこなしにインテリジェンスを備え、そんなアタッカーに立ちはだかったマルディーニ、そして「あなたは同じ人間ですか?」とマジメに質問したくなるカシージャス。
 時に詩的とは言えないこともあるけれど、基本よく整備された芝の上で繰り広げられる90分のスペクタクルは、世界中の人を魅了して止まない。

 一方、サッカーはその魅力故に狂気の元凶ともなり得る。サッカーで戦争が起こり、サッカーのために誘拐事件が起こり、ミスをしたがために命を狙われ、絶命してしまった選手もいる。致命的なミスは容赦ない批判にさらされ、所属する国やチームによっては、それは命に関わる事にもなりかねない。

 日本はどうだろう。対ブラジルに4失点無得点で完敗。けれど、メディアの論調はポジティブで、サポーターも「楽しかった」と言う。

 楽しいのは客観的に試合を見ているからで、試合をすれば「良かった処・悪かった処」を総括できるのはどの試合でも同じ事。

 JFAは2050年までにワールドカップ優勝を掲げているが、現在の日本代表が、何を目標にしているのか、僕は明確にわからない。

 そして、もし、現日本代表がブラジルワールドカップで優勝を目指しているのなら、もっともっと厳しい視点で試合を分析しなければならないのではないか、と思う。
 結果、1点も取れずに負けてるんだから。サッカーは、少なくとも1点は取らないと勝てないスポーツなのだから、1点も取れてないというのは深刻この上ない問題であることをもっと真剣に考えなければならない。
 本田選手が1トップで機能したと言う見解がある。機能したかどうかは結果で判断すべきであって、本田選手の1トップは、実際は、親善試合で怪我しないようにそこそこのレベルでプレーしているブラジルに通用しなかった、ということになるのではないか。

 僕は、今回のブラジル戦後のメディアの一様にポジティブな論調や、「悔しかったけど楽しかった部分もある」という選手のコメント、そしてそれに共感するサポーターにとても違和感を感じている。

 育成の現場では、危機感を持っている指導者が少なくない。それには「日本のサッカーは進歩しているけれど、世界のサッカーはそれ以上の速さで進歩している」という現実がある。
 たとえばドイツは国を挙げての大きな枠組みで育成の成果を出し始めている。タレントも豊富に揃っている。そのドイツでさえも、4点のリードを守れずスウェーデンに引き分けている。

 母国のため、自分のキャリアのために全てをかけて戦うワールドカップの本番で、得点をすること、勝つことは簡単ではないんだ。

 今回のブラジル戦で洗い出された課題をクリアするために2年間ある、と言う見解がある。しかし、ブラジルやスペインにも、現状のリードをさらに拡げ、より新しく、スペクタクルなサッカーを世界に披露するための猶予が2年間もあるのだ、ということを忘れてはならない。

 差を縮めることは簡単ではない。そして、その差を埋めるために絶対に必要なのは、中盤を充実させることではなく、よりゴールに近い場所で、確実に、決定的に仕事ができる選手でなければならない。そして、その仕事ができる選手が出てくるためには、精度とか、技術とか、能力とか、経験などという視点ではなく、日本が「ボーイスカウトサッカー」から卒業しないとダメなんじゃないか、と思うのです。

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