2月 20th, 2012|ブログ|

 みやこ事務所では、これからしばらくの間、日本語、特に漢字について調べたことをブログに書いていきます。不定期になりますが、少しずつ進めて、ある程度の資料的価値を持ったボリュームにしたいと考えています。今日はその第1回です。

#001 『日本語』って何?

1.出発点

 行政書士は、仕事柄、人のお名前を書き記す機会が多くあります。それらは正確である必要があります。何故なら、行政書士が関わる仕事の多くは書面による審査がなされるため、氏名や住所が不正確であれば自然人を特定することができないからです。番地を間違えば郵便物は届きません。「重田」さんという姓を変換ミスで「茂田」さんとして申請してしまうと大変なことになります。氏名は人を特定する重要な情報ですので、一言一句正確に記載する必要があります。
 ところで、一言一句を正確に記載するには拠り所が必要となります。我々の場合、その拠り所は住民票の写しであったり、印鑑証明書であったり、戸籍であったりします。
 ところが、戸籍の名と印鑑証明書の名が微妙に違ったりするケースがいまだにあります。
 ご本人の署名と戸籍の字体が違うことなど希ではなく、むしろざらにあると言っても過言ではありません。
 このような相違、不一致が起こるのは、漢字の歴史、さらに言えば政策によって変遷した漢字の歴史があるからなのですが、私自身、その詳細を知っている訳ではありません。

 そこで、今回、このブログでその変遷を概観し、同種の疑問をお持ちの方などのお役にたてるようまとめていこうと考えました。

2.『日本語』とは?

 漢字を知るためには、まず日本語とは何かを知っておかなければなりません。
 翻って『日本語とは何か』と自問した時、それを明確に答えるのはなかなか難しいものがあります。日本では、法令をもって公用語を定めていません。従って、日本語の定義は歴史や一般認識から根拠を見つけだすことになるでしょう。そうすると、みやこ事務所的には、日本語とは「日本国内に住む人が意思疎通のために用いており、義務教育の『国語』として習う言葉」と言えるのではないかと考えます。

3.小学校における教育課程の内容

 では、小学校の国語で習う内容は、どのように決まっているのでしょうか。
 小中高の授業は原則として教科書に基づいて授業が行われますので、教科書制度を知れば、国語で習う内容について知ることができます。
 教科書制度については、文部科学省のウェブサイトに解説があります。

 文部科学省の説明によると、教科書は、「教科書の発行に関する臨時措置法」第2条に「小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及びこれらに準ずる学校において、教育課程の構成に応じて組織排列された教科の主たる教材として、教授の用に供せられる児童又は生徒用図書であり、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するもの」と定められています。
 また、学校教育法第34条では、小学校では検定済みの教科書か、文部省が著作権を有する教科書を使用しなければならない旨が定められています。
 従って、小学校の国語の内容を知るには、教科書検定について知る必要があります。

4.教科書検定の基準と学習指導要領

 教科書として採用されるためには検定が必要という定めになっていますが、恣意的な検定を防ぐため、検定には基準が必要です。その基準は「義務教育諸学校教科用図書検定基準(平成21年3月4日文部科学省告示第33号)」として文部科学省から告示されています。

義務教育諸学校教科用図書検定基準

 それによると、検定は、学習指導要領に示す言語の「目標」に従っている必要がある、とされています(第2章1基本的条件からの抜粋要約)。
 そこで、次に、学習指導要領について調べることになります。

 学習指導要領という概念は、学校教育法施行規則第52条に次のように定められています。

第五十二条  小学校の教育課程については、この節に定めるもののほか、教育課程の基準として文部科学大臣が別に公示する小学校学習指導要領によるものとする。

 長くなりましたので、今までのことをまとめてみましょう。

1.小学校の教育課程では、検定済教科書を使わなければならない。
2.教科書検定には文部科学大臣が告示した基準がある。
3.その検定基準によれば、教科書の内容は学習指導要領に沿っている必要がある。
4.学習指導要領は、学校教育法施行規則に定められており、その内容は文部科学大臣が公示することになっている。

5.学習指導要領における『国語』の概念

 ようやく本題に近づいてきました。学習指導要領の国語について見てみましょう。

新学習指導要領

 この内容を抽出すると、次のようになるでしょう。

(あ)1・2年においては、平仮名及び片仮名を読み,書くこと。また,片仮名で書く語の種類を知り,文や文章の中で使うこと。
(い)3年においては、日常使われている簡単な単語について,ローマ字で表記されたものを読み,また,ローマ字で書くこと。
(う)各学年次において、学年別漢字配当表の当該学年までに配当されている漢字を読むこと。また,当該学年の前の学年までに配当されている漢字を書き,文や文章の中で使うとともに,当該学年に配当されている漢字を漸次書き,文や文章の中で使うこと(1年は除く)。

6.まとめ

 以上のことから、私は本稿を次のようにまとめます。

1.日本においては、法令上公用語は定義されていない。
2.従って、「日本語」を考える場合、「日本国内で通用する言語」と考える他ない。
3.とすれば、義務教育課程の「国語」ニアイコール「日本語」と言うことができる。
4.よって「国語」について調べると、履修する文字としては、平仮名・片仮名・漢字・ローマ字が定められている。
5.従って、日本語として使う文字も、これらの文字と考えられる。

7.次回へ向けて

 分かったような分からないような内容でしたが、まとめてみると、日本語で使う文字を特定することができました。次回は、これらの文字の歴史について少しずつ調べていきたいと思います。この私的研究の目的は、漢字についての理解を深めることですので、早くそこにたどり着けるよう、要領よく進めていきたいですね。

最後までお読み頂いてありがとうございます。
 一生懸命書いたオリジナルの文章なのでコピーはしないでくださいね。IPアドレスとコピーされた場所を特定できるシステムになっています。(さらに詳しく)

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