12月 14th, 2012|ブログ|

 今日は、NPOが管外移転と名称変更の決議を同時に行った場合、登記日付がどのようになるか、という論点についてのお話しです。

<本日のポイント>
・主たる事務所の移転日は、議事録で決議が可能である。
・総会等で主たる事務所の移転日を決議した場合、登記日付は認証書の到達日と決議で定めた日の遅い方となる。

1.NPOの各種変更手続

 NPOの運営において、所轄庁の変更を伴う主たる事務所の移転と名称変更は、ともに定款変更の認証を申請する必要があります。
 定款変更の認証申請については、新しい所轄庁でその審査を行うため、事前の打ち合わせについては、新しい所轄庁に対して行う方が効率的であると考えられます。
 しかし、所轄庁によっては事前の打ち合わせ(これを私の地域では「事前協議」と呼んでいます。)を行っていない処もあります。
 NPOについては内閣府が主管しており、各都道府県によって取扱に差が出るべきではない、と私は思いますが、実際には、非常に細かい部分について所轄庁毎に取扱のことなる部分があり、申請者は必要以上に過度な修正を必要とされるケースがあるのではないかと感じています。

2.所轄庁変更を伴う事務所移転の決議

 所轄庁の変更を伴う主たる事務所の移転を行おうとする場合、定款を変更する必要が出てきます。この時、法務省の議事録ひな形によると、社員総会で定款変更の決議を行い、理事会で移転日までを決議しています。
 これは、理屈で考えると少し違和感があります。定款変更の効力は認証書の到達によって生じるはずなのに、具体的な移転日を決議するっておかしくない?ということになります。

 このあたりは、グレーな部分と言うことになるのでしょうか。事務所移転の決議をして、定款変更認証申請を行い、認証を受けてから実際に移転する。これは、理屈で考える本来的な流れになるかも知れません。
 ただし、縦覧期間2か月でその後認証がおりるまでどのくらいかも予想しづらいということになると、認証申請と実際の移転を同時に行うケースも出てくることになるでしょう。というよりも、実際にはそちらのケースの方が多いのではないかと思われます。

 従って、機関で決議した移転日と、認証書が到達した日というのは、実際には異なってくることが往々にして起こりえることになってきます。

3.登記時における移転日の問題

 このケースで問題が発生するのが、登記に記載する移転日についてです。法務省のひな形によると、移転日としては「日付は変更の決議をした議事録に記載されている移転の時期(実際に移転した日)を記載します。」と書かれています。
 これは、はっきり申し上げて、間違いです。
 議事録に記載した移転日と、認証書の到達日が異なる場合、移転日はいずれか遅い方の日付となります。

4.手続をスムーズに進めるために

 所轄庁の吏員諸氏はNPOについて知識も経験も豊富ですが、登記についての知識には個人差があります。実際、私も新所轄庁へ認証書を取りに行った際、「このまま横の法務局で登記申請してもらったら」と言われたことがあります。所轄庁をまたがる主たる事務所移転は旧所在地の法務局へ申請する必要があり、その言葉を信じると無駄足になってしまいます。
 所轄庁の移転を伴う手続を申請する場合、関与する役所は旧所轄庁・新所轄庁・新旧法務局の3カ所になります。どこに相談すべきかをよく考えながら手続を進められると、補正も少なくスムーズに進むのではないかと思います。

 ご参考になさってください。なお、毎度のことですが、行政書士は登記申請はできませんので念のため。

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