4月 24th, 2014|ブログ|

整形外科と整骨院、どちらへ通院すればいいのかを解説

 今日は、交通事故で治療を受ける、或いはリハビリする際に、整骨院を利用することの是非について検討します。私はこの件に対し消極的な見解から意見を申し上げますが、きっと積極的な見解もあるでしょうし、本稿をお読みなられた被害者の皆様は、一つのオピニオンとして参考にして頂きますようお願いいたします。

整骨院が交通事故に参入してくる理由」もご参考にして頂けると思います。別ウィンドウが開くようになっていますので、是非ご覧ください。

診断は医師の仕事です!

 交通事故のリハビリでは、整骨院ではなく整形外科を利用した方が良い。その理由はただ一つ、柔道整復師は治療ができないからである。

医師と柔道整復師の違い

 本稿で問題とするのは、医師(整形外科)と柔道整復師、どちらに通院すればいいかということですが、それを医学的な見地から検討する訳ではありません。立脚点はあくまで「交通事故の解決」であり、もっと踏み込んで言えば「交通事故の精算」です。

 つまり、交通事故をより良く解決するためには、どちらを選択すべきなのか。という問題ですね。しかしながら、言葉の定義を理解しておくことは大切ですので、医師と柔道整復師の違いについて、まずは考えてみましょう。

医師とは

医師については、医師法で定められています。資格要件などはさておき、本稿で大切なことは次の条文ですね。

第十七条  医師でなければ、医業をなしてはならない。

 では、「医業とは何なのか?」ということですが、医業というのは法律的に定義されている概念ではありません。その曖昧さ故に、介護分野での業際問題を引き起こしてもいる訳ですが、本稿においては、「業としての医療行為」とでも定義しておきましょう。

柔道整復師とは

 柔道整復師も、柔道整復師法に定められた国家資格者です。

第二条  この法律において「柔道整復師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、柔道整復を業とする者をいう。
(以下省略)

 さて、ここでも「柔道整復とは何なのか?」という疑問が生じます。しかし、本ブログ御用達である広辞苑第六版DVDROM版にも、その他のインターネット辞書にも明確な定義はありませんでした。「柔道整復術」についてウィキペディアに記載がありましたので引用します。

柔道整復術(じゅうどうせいふくじゅつ)とは、柔術に含まれる活法の技術を応用して、骨・関節・筋・腱・靭帯などの原因によって発生する骨折・脱臼・捻挫・挫傷・打撲などの損傷に対し手術をしない「非観血的療法」という独特の手技によって整復や固定を行い人間の持つ自然治癒能力を最大限に発揮させる治療術。
出典:ウィキペディア

 医業と柔道整復の関係性ですが、柔道整復師法第17条は、医師が柔道整復を行えることを定めていますので、医業は柔道整復を包含する概念であると言えそうです。

違いをまとめよう

 以上、言葉の定義だけでは、必ずしも医師と柔道整復師の違いは明確になりませんでした。しかし、この二つの法律には、医業を考える上で、実は大きな差異があります。

 医師法には「治療」という言葉が頻繁に使われますが、柔道整復師法では、「治療」という言葉は一度も使われないのです。「治療」に置き換わる言葉として使われているのは「施術」です。

 つまり、柔道整復師は施術のみを行うことになりますので、機械や薬品を使った検査を行うことはできず、問診と体表からの診察ができる程度です。また、法律上投薬は禁止されており、脱臼又は骨折の患部に施術するには医師の同意が必要となります。

 これに対し医師は医業の全てを行いますので、検査し、診断し、治療し、また施術を行い必要に応じて投薬することができます(処方箋の交付は原則として医師の義務でもあります)。

交通事故で整骨院への通院をお勧めできない理由

 交通事故で怪我をなされた場合、通院し、後遺症がのこれば後遺障害診断を受けます。この診断は医業であり、診断できるのは医師のみになります。柔道整復師がどれだけ優秀であっても、半年通院していても、診断はできません。

 では、より精度の高い後遺障害診断を受けるには、どちらに通院しておくべきでしょうか。

 後遺障害の等級認定を行う調査事務所では、受傷時の状況と、症状の経過、そして症状が固定したという時系列に整合性があるかどうかに着目します。

 仮にずっと整骨院でリハビリしていて、後遺障害診断にだけ整形外科を訪れて、正確な、丁寧な診断書を書いてもらうことができるでしょうか。
 おそらく、それは困難でしょう。技術的にも、そして、心情としても。

 とりあえず診断書を書いてはもらい、被害者請求でもしたとしましょう。そして非該当だったとします。慌てて専門家へ相談に行くと「整骨院はいただけませんでしたね」と言われるでしょう。
 しかし、そこから整形外科でリハビリをしても、異議申立が通る可能性は高くありません。元々異議申立が通る確率など20%を切っているのです。後遺障害は初回申請が大切なことは言うまでもありません。

 詰まるところ、医師は柔道整復もでき、治療も診断も投薬もできる医業における最高資格者です。しかし、リハビリ自体の診療報酬は、整形外科でも整骨院でも処置が同じなら変わりません。この条件では、整骨院を敢えて選択するメリットは乏しく、整形外科を選択するのがよりベターであるという結論になります。

 もっとも、整骨院は日曜日もやっているし、夜も遅くまでやっているから便利なんだ、という主張があるでしょう。その場合、保険屋さんと上手く折り合いをつけて両方通えばいいだけの話しです。

 後遺障害の等級認定で大きな意味を持つのは後遺障害診断書。そして、それを作成するのは医師であるということを考えると、整形外科と整骨院のどちらに通院した方がいいのかは明らかです。現在整骨院で治療をなさっていらっしゃる場合、交通事故の解決に長けた専門家へご相談なさることをお勧めします。大抵は無料相談を行っていますので、アドバイスを受けて今後の方針をお考えになると良いでしょう。

 なお、本稿は交通事故後遺障害の立証という見地から検討を行ったものであり、私は柔道整復師という資格にも職業にも敬意を抱いておりますし、お付き合いしている先生方もいらっしゃることを付言しておきます。

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