京都市旅館業法施行細則

(趣旨)
第1条 この規則は、旅館業法施行令及び旅館業法施行規則(以下「規則」という。)に定めるもののほか、旅館業法(以下「法」という。)及び京都市旅館業法に基づく衛生に必要な措置及び構造設備の基準等に関する条例 (以下「条例」という。) の施行に関し必要な事項を定めるものとする。

(用語)
第2条 この規則において使用する用語は、法において使用する用語の例による。

(許可の申請)
第3条規則第1条第1項の規定による申請は、旅館業許可申請書(第1号様式)に次に掲げる図書を添えて行わなければならない。
 (1) 規則第1条第2項に規定する図面
 (2) 営業施設の敷地の周囲おおむね200メートルの区域内の見取図(法第3条第3項に規定する学校等及び営業施設との距離を明示すること。)
 (3) 定款又は寄付行為の写し及び法人の登記事項証明書(法人である場合に限る。)
 (4) その他市長が必要と認める図書

(許可の決定等)
第4条 市長は、前条の申請があったときは、許可又は不許可を決定し、その旨を文書により通知する。

(玄関帳場その他これに類する設備の基準)
第5条 条例第3条第3号ウ(条例第4条第2項及び第5条第2項において準用する場合を含む。)に規定する別に定める基準は、次に掲げるとおりとする。
 (1) 受付台を設けること
 (2) 受付台の上面から天井までの高さは、玄関帳場その他これに類する設備の設置場所における床面から天井までの高さの2分の1以上とすること。
2 次に掲げる施設において、玄関帳場に類する設備が、従業員が常時待機し、来客の都度玄関に出て来客の応接を行う構造の部屋であるときは、当該設備については、前項の規定は、適用しない。
 (1) 旅館営業の施設
 (2) 簡易宿所営業の施設のうち、和式の構造設備を主とするもの

(ホテル営業の施設に設ける客室の基準)
第6条 条例第3条第5号イに規定する別に定める基準は、次に掲げるとおりとする。
 (1) 客室の外部から内部を見通すことを遮ることができる設備を有すること。
 (2) 和式の構造設備による客室(以下「和室」という。)にあっては、次に掲げる要件を満たすものであること。
  ア 出入口及び窓は、鍵を掛けることができるものであること。
  イ 出入口及び窓を除き、客室と他の客室及び客室以外の施設との境は、壁で区画されたものであること。

(旅館営業の施設に設ける客室の基準)
第7条 前条の規定は、条例第4条第2項において準用する条例第3条第5号イに規定する別に定める基準について準用する。この場合において、前条第2号ア中「出入口及び窓」とあるのは「窓」と、同条第号イ中「出入口及び窓」とあるのは「窓」と、「壁」とあるのは「壁又は板戸ふすまその他これらに類するもの(固定されたものに限る)」と読み替えるものとする。

(簡易宿所営業の施設に玄関帳場等を設置する必要がない場合)
第8条 条例第5条第1項第2号ただし書に規定する特別の事情がある場合は、京町家(生活の中から生み出された特徴のある形態及び意匠を有する木造の建築物で伝統的な建築様式によるもの(建築基準法の規定が適用されるに至った際現に存し、又はその際現に建築、修籍若しくは模様替えの工事中であった建築物に限る。)をいう。)を活用して営業を行う場合において、施設の構造設備及び営業の態様が次に掲げる要件を満たすものであるときとする。
 (1) 客室の数は、1室とすること。
 (2) 施設の全てを宿泊者の利用に供するものであること。
 (3) 宿泊の形態が、1回の宿泊について、少人数で構成される1組に限られるものであること。
 (4) 施設の鍵の受渡しを宿泊者と面接して行うこと。
 (5) 営業者又は営業者の使用人その他の従業者(以下「営業者等」という。)の連絡先を施設内に明示し、かつ、営業者等が宿泊者から連絡を受けたときは、速やかに施設に到着することができる範囲内に所在していること。

(簡易宿所営業及び下宿営業の施設に設ける客室の基準)
第9条 条例第5条第2項及び第6条第2項において準用する条例第3条第5号イに規定する別に定める基準は、次に掲げるとおりとする。
 (1) 第6条第1号に掲げる基準に適合すること。
 (2) 窓は、鍵を掛けることができるものであること。
 (3) 出入口及び窓を除き、客室と他の客室及び客室以外の施設との境は、壁(和室にあっては、壁又は板戸、ふすまその他これらに類するもの(固定されたものに限る。))で区画されたものであること。

(合併又は分割による承継の承認の申請)
第10条 規則第2条第1項の規定による申請は、旅館業承継承認申請書 (第2号様式)に同条第2項に規定する書類その他市長が必要と認める図書を添えて行わなければならない。

(相続による承継の承認の申請)
第11条 規則第3条第1項の規定による申請は、旅館業承継承認申請書(第2号様式)に同条第2項に規定する書類その他市長が必要と認める図書を添えて行わなければならない。

(承認の決定等)
第12条 市長は、前条の申請があったときは、承認又は不承認を決定し、その旨を文書により通知する。

(変更等の届出)
第13条 規則第4条の規定による届出は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げる届出書に市長が必要と認める図書を添えて行わなければならない。この場合において、旅館業を営む者の死亡又は解散により第2号に該当するときは、その相続人又は清算人がこれを行わなければならない。
 (1) 第3条、第10条又は第11条の申請書に記載した事項を変更したとき 旅館業変更届 (第3号様式)
 (2) 営業の全部又は一部を停止し、又は廃止したとき 旅館業停止・廃止届(第4号様式)

(床面積の基準)
第14条 条例第10条第1号に規定する別に定める面積は、客室の寝室面積(客室内であって、浴室、便所その他睡眠又は休憩の場所に適さない場所を除いた場所の床面積をいう。) について、次に掲げるとおりとする。
 (1) ホテル営業、旅館営業及び下宿営業の施設 次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる面積
  ア 洋室 4.5平方メートル(修学旅行の場合その他教育目的で同一施設に集団で宿泊させる必要がある場合(以下「修学旅行等の場合」という。)にあっては、3平方メートル)
  イ 和室 3.3平方メートル(修学旅行等の場合にあっては、2.5平方メートル)
 (2) 簡易宿所営業の施設 次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる面積
  ア 洋室 3平方メートル(階層式寝台を置く場合にあっては、2.25平方メートル)
  イ 和室 2.5平方メートル

(清掃又は消毒)
第15条 条例第10条第8号イの規定による清掃又は消毒は、次の表の左欄に掲げる設備の区分に応じ、同表の右欄に掲げる基準により行うものとする。

設備 基準
ろ過器 1週間に1回以上、逆洗浄 (洗浄水を逆流させる洗浄をいう。)その他の適切な方法で洗浄を行い、生物膜を除去すること。
浴槽湯水を循環させる配管 薬品による洗浄その他の適切な方法で定期的に洗浄を行い、生物膜を除去すること。
集毛器(毛髪、ごみその他の異物がろ過器に流入することを防ぐ装置をいう。) 毎日清掃すること。
浴槽から排出された湯水を浴槽湯水として再利用するために貯留する槽 槽内の生物膜の状況を定期的に監視するとともに、生物膜を確認したときは、速やかに、清掃及び消毒を行い、生物膜を除去すること。
浴槽 浴槽湯水 (浴槽内の湯水をいう。以下同じ。)の排出の都度、清掃及び消毒を行う定期的に清掃及び消毒を行うこと。
温泉を貯留する槽 定期的に清掃及び消毒を行い、生物膜を除去すること。

(塩素消毒の基準)
第16条 条例第10条第9号ア及びエの規定による塩素消毒は、浴槽湯水の遊離残留塩素濃度を1リットルにつき0.2ミリグラム以上0.4ミリグラム以下に保つとともに、やむを得ず一時的に当該遊離残留塩素濃度が1リットルにつき0.4ミリグラムを超える場合にあっては、1リットルにつき1ミリグラムを超えないように行うものとする。

(共用入浴施設等において浴用に供する湯水の基準等)
第17条 条例第10条第10号に規定する別に定める基準は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げるとおりとする。
 (1) 浴槽湯水 次の表の左欄に掲げる項目について同表の中欄に掲げる検査方法による検査の結果が同表の右欄に掲げる基準に適合すること。ただし、浴槽湯水に温泉、井戸水その他水道水以外の水が使用されている場合及び医薬品その他の物質が含有されている場合において、市長が同表の濁度及び過マンガン酸カリウム消費量の基準により難く、かつ、公衆衛生上支障がないと認めるときは、これらの基準の全部又は一部を適用しない。

項目 検査方法 基準
濁度 比濁法、透過光測定法、積分球式光電光度法、散乱光測定法又は透過散乱法 5度以下であること。
過マンガン酸カリウム消費量 滴定法 1リットルにつき25ミリグラム以下であること。
大腸菌群 下水の水質の検定方法等に関する省令第条に規定する方法 1ミリリットルにつき1個以下であること。
レジオネラ属菌 冷却遠心濃縮法又はろ過濃縮法 100ミリリットルの検水を用いて形成される集落数が10未満であること。

 (2) 浴用に供する湯水 (浴槽湯水を除く。以下同じ。) 次の表の左欄に掲げる項目について同表の中欄に掲げる検査方法による検査の結果が同表の右欄に掲げる基準に適合すること。ただし、浴用に供する湯水に温泉、井戸水その他水道水以外の水が使用されている場合において、市長が公衆衛生上支障がないと認めるときは、色度、濁度、水素イオン濃度及び全有機炭素の量の基準の全部又は一部を適用しない。

項目 検査方法 基準
色度 比色法又は透過光測定法 5度以下であること。
濁度 比濁法、透過光測定法、積分球式光電光度法、散乱光測定法又は透過散乱法 2度以下であること。
水素イオン濃度 ガラス電極法 5.8以上8.6以下であること。
全有機炭素の量 全有機炭素計測定法 1リットルにつき3ミリグラム以下であること。
大腸菌 特定酵素基質培地法 検出されないこと。
レジオネラ属菌 冷却遠心濃縮法又はろ過濃縮法 100ミリリットルの検水を用いて形成される集落数が10未満であること。

2 条例第10条第10号の規定による検査は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に掲げるところにより行うものとする。
 (1) 浴槽湯水 (循環ろ過装置 (ろ過器を通して循環させることにより浴槽湯水を浄化するための装置をいう。)を用いて再利用したものに限る。) 次に掲げるとおりとすること。
  ア レジオネラ属菌の検査を1年に1回以上行うこと。ただし、レジオネラ属菌に汚染される可能性が高いときは、検査の頻度を高めるものとする。
  イ 新規に浴槽を設けたとき、又は配管設備の変更を行ったときは、前項第1号の表の左欄に掲げる項目の全てについて、同表の中欄に掲げる検査方法により検査すること。
 (2) 浴用に供する湯水 (当該湯水に水道水を使用する場合を除く。) 新規に浴槽を設けたとき、又は配管設備の変更を行ったときは、前項第2号の表の左欄に掲げる項目の全てについて、同表の中欄に掲げる検査方法により検査すること。

(施設管理に係る市長が公衆衛生上必要と認める基準)
第18条 条例第10条第13号に規定する市長が公衆衛生上必要と認める基準は、次に掲げるとおりとする。
 (1) 消毒装置は、その動作状況を確認し、適切に維持管理すること。
 (2) 温泉を貯留する槽内の湯の温度は、摂氏60度以上に保つこと。ただし、これにより難いときは、レジオネラ属菌が増殖しないようその渇を定期的に消毒すること。
 (3) 共用の入浴施設の脱衣室又は浴室の入浴者が見やすい場所に、浴槽に入る前に身体を洗うことその他の入浴上の注意事項を表示すること。
 (4) 共用の入浴施設の入浴者が飲用に適さない湯水を誤飲することを防ぐための措置を講じること。
 (5) 条例第10条第10号の規定による検査の結果の記録及び同条第11号に規定する管理記録を3年間保管すること。

(宿泊者名簿に記載すべき事項)
第19条 規則第4条の2第2号に規定する事項は、宿泊者の到着年月日、出発年月日、年齢及び性別とする。

(遵守事項)
第20条 営業者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
 (1) 外部から見やすい場所に営業の種別を標示すること。
 (2) 客室には定員を超えて宿泊させないこと。
 (3) 客室以外に客を宿泊させないこと。

附則
この規則は、平成24年4月1日から施行する。