12月 11th, 2011|ブログ|

 信用不安が払拭できないイタリアで、ペットに約1,000万ユーロを相続させたと言うニュースが話題になっているそうですね。

 今日は、ペットと相続についてのお話しです。

 日本における相続とは、学術的表現をかみ砕いて書き表すと、「人間の財産や権利・義務を他の人間が引き継ぐこと」と言えます。

 まず、相続が発生する主体は「人間」です。「車」も「犬」も相続の主体とはなりえません。「車」が廃車になったからと言って「オレのナビは持ち主であるアンタにくれてやるよ」とは言ってくれませんよね。相続が発生する主体が人であることは、ある意味当たり前のことです。
 「会社」はどうでしょうか?「会社」は「法人」ですので、法的には「人」とみなされています。従って、会社も財産を譲り受ける主体と成り得ます。しかし、会社は「法人」であって、「人間=自然人」ではありませんので、日本国内において会社に相続が発生することはありませんし、会社が「相続人」となることもありません。

 次に、客体ですが、客体は「財産上の権利や義務」です。「名誉」は相続の対象にはなりません。お父さんが人間国宝だったとして、お父さんがなくなったら遺産分割協議をして長男さんが「人間国宝を襲名します」というのはちょっと無理な話です。

 相続は、人間の死亡により開始します。これは現在の民法に定められています。ですので、現在では、相続は人の死亡によって始まる訳ですが、戦前の日本には、「家督相続」という制度があって、家長が存命のまま隠居し、長男さんが家督を相続する、と言うことがごく普通に行われていました。つまり、相続というのは法が定めている制度であって、国や年代によりその制度は様々ということになります。

 そして、現在の日本で財産を相続できるのは、子、直系尊属、兄弟姉妹及び配偶者であって、被相続人の家族状況により相続する人が決まります。つまり、相続できるのも「人間」だけ、と言うことになります。

 話しをイタリアの話題に戻しましょう。
 イタリアの資産家さんは、ペットに財産を相続させることはできたのでしょうか?新聞記事によると「イタリアではペットに相続させることは法的にできないので、ペットがなついていた看護師を相続人に決めた」旨の記載があります。

 相続人以外へ死亡によって財産を譲り渡すことを、日本では「遺贈」や「死因贈与」と言います。遺贈は財産を譲り渡そうとする人が単独でできる行為ですが、「贈与」はあくまで契約ですので、生前に贈与者と受贈者で契約を締結しておく必要があります。
  従って、日本民法に従っていうなら、この看護師さんは「受遺者」であって「相続人」ではありません。

 イタリアではペットに財産を相続させる法的な枠組みがなかった訳ですが、では、他の国ではあるのでしょうか?

 アメリカニューヨーク州では、1996年に法制されたそうです。アメリカは信託が有効活用されている国ですので、ペット名義で信託を設立する事例はあったそうですが、まさか、法律でもってペットの相続が認められているってすごいですよね。

 日本では「負担付き遺贈」を活用し、ペットの生活を保障することで世話人に財産を与えると言ったモデルを提案されいるケースがあります。
 この場合、遺言執行者がペットをお世話する人(受遺者)の監督人的立場になることで、遺言者の遺志を実現することになります。
 身寄りのない方で、ペットの行く末を心配なされる場合、一度役所の無料法律相談を受けてみられるのもよいのではないかと思います。もちろん、みやこ事務所でも遺言書作成のお手伝いはしておりますので、お気軽にご相談ください。

最後までお読み頂いてありがとうございます。
 一生懸命書いたオリジナルの文章なのでコピーはしないでくださいね。IPアドレスとコピーされた場所を特定できるシステムになっています。(さらに詳しく)