特例有限会社の株式会社への移行手続

有限会社は株式会社になる?

 有限会社は、株式会社へ移行することが可能です。
 平成18年の会社法大改正により、旧来の有限会社法は廃止され、今までの有限会社は、「特例有限会社」として、これからも存続していくこととなりました。

 有限会社法が廃止されたことから、有限会社は、「有限会社」という看板は残しつつ、会社法に定める株式会社として存続することになった訳です。ですので、有限会社が年に一回開く定時総会は、「株主総会」となり、出資持分を保有していた社員は、「株主」として取り扱われることになりました。

 そして、特例有限会社は、「株式会社」へ変更するすることを含め、会社定款を株式会社の規定にそうよう変更してその定款変更を可決させることにより、株式会社へ移行することが可能です。
有限会社は実質的に株式会社と同じようになりました。

「株式会社」名乗りますか?

 さて、株式会社へは、定款変更と登記という手続で割と簡単に移行することができます。 そして、「株式会社に変更した方がいいのでしょうか?」と言うご質問を数多くお受けすることになるのです。

 一昔前は、株式会社を作るためには1,000万円の資本金が必要でした。そして、有限会社の最低資本金は300万円だったので、資本金額の相違を理由として有限会社として会社を作ることを選択された方が多かったと聞いています。
 また、社会的にも「株式会社>有限会社」という、さして根拠のない図式ができあがっていた部分もあったのではないかと思われます。
 しかし、会社法が施行され、新たに有限会社を設立することができなくなった今、「有限会社」の看板を掲げていらっしゃることは、昔から会社が存続していたことを示す、一つのステータスにもなり得ます。
 そして、資本金1円で会社を作れるようになった株式会社へ商号変更する意味があるのか、と言うことも考えなければなりません。

 税務的なことは、専門家である税理士さんにご相談なされるとよいでしょう。お知り合いがいらっしゃらない場合、当サイトからも「直ちに優秀な税理士さん」をご紹介することが可能です。

 有限会社から株式会社への商号変更をお考えになる場合は、「株式会社」という看板にすることだけでなく、税務面でのメリットやデメリット。会社印の作成や封筒・名刺を刷り直す手間ひま、案内状の作成など、様々な要素を勘案して検討する必要があります。

 手続が割と簡単なだけに、やってしまって後から「失敗した」と思われることのないよう、事前に十分検討なされることをお勧め致します。
商号変更手続の概要

(平成23年11月1日掲載)