1月 24th, 2012|ブログ|

 今日は、試用期間と解雇についてのお話しです。

<ポイント>
・試用期間の長さに法律上の定めはない。
・試用期間中の解雇でも無効となり得るが、解雇の基準は通常の解雇に比べ緩やかに解されている。
・働き始めて14日以内であった場合、即時解雇できる旨が労働基準法に定められている。
・働き始めて14日を超えた場合、解雇には予告が必要となる。
・解雇通知書は、請求すれば出してもらえる(雇用者は出さなければならない)。

<前提>
・今日の記事では雇用に関する契約について記述します。雇用契約については民法に定めのある雇用契約と労働契約法で規定されている労働契約という2種類の概念が存在します。両者の意味は完全にイコールにはなりませんが、今日の記事の本質には関わりがないため、このブログでは『雇用契約』という文言で、使用者と被用者の契約を表現します。

1.試用期間とは

 試用期間とは、法律に特段の定めがあるものではありません(但し、公務員については後述)。
 正社員として会社で働く場合、通常は雇用契約を締結することになりますが、契約書を交わしたり、就業規則の全文をチェックすることは少ないでしょう。一般的には、求人票に「試用期間3ヶ月」と書かれていれば、「3ヶ月は簡単にクビと言われても文句は言えない」と認識していらっしゃるのが多数ではないでしょうか。それは、あながち間違っているわけでもありませんが、知識としてより正確に知っておくため、もう少し深く考えてみましょう。

2.試用期間と雇用契約

 試用期間とは、ある雇用契約を締結する際、労働開始から一定期間内の間に効力を維持する特約を定めることをだと言えるでしょう。
 裁判所は、試用期間は解除権の大幅な留保であると考えています。これは、問題になることの多い試用期間中の解雇に関する裁判所の見解ですが、試用期間中は、賃金を時給制にしたり、出勤時間を別に定めたりすることも希ではありません。かといって、試用期間後に改めて雇用契約を結ぶわけでもないケースが多数と思われますので、つまり、試用期間とは、雇用契約の特約と考えればすっきり理解することができます。

3.試用期間中の解雇

 そして、よく質問を受けるのが、試用期間と解雇に関する論点です。これは、先ほどの紹介した裁判所の判決が出ています。いわゆる『三菱樹脂事件』と呼ばれた事件で、試用期間中の解雇が争点の一つになっています。
 最高裁は、試用期間中の解雇につき『客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許される』と判示しました。しかし、通常雇用の場合と同程度の基準であっては、試用期間を設ける意味自体がなくなってしまうため、試用期間中の解雇の基準については、通常雇用の場合よりも緩やかになると一般には解されています。
 もし解雇に納得がいかない場合、解雇理由についての証明書を請求しておかれるとよいでしょう。これは、試用期間中であっても働いた期間にかかわらず請求することができます。使用者は、この請求を受けた場合は遅滞なく交付しなければならない旨、労働基準法で定められています。

4.試用期間と解雇に関するチェック事項

 それでは、最後に試用期間における解雇についてチェック事項をまとめておきましょう。
・解雇が働き始めて14日以内の場合→即時解雇されても文句は言えないが、解雇理由によっては解雇が無効になり得る。また、解雇理由の証明を請求できる。
・解雇が働き始めて15日目以後の場合→天災等の事情がない限り、解雇の予告かそれに代わる手当の給付が必要となる。また、解雇理由の証明を請求できる。

 なによりも、トラブルなく試用期間を終えられるよう留意され、いい会社を選ぶことが一番ですね。

 なお、公務員については、各法律で試用期間に相当する規定があり、公務員の身分保障が制限されています。

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