離職者の住宅手当支給制度

 今日は、行政の行っている『住宅手当』の支給制度に関するお話しです。ここでは、京都市の制度についてお話しします。

<ポイント>
・離職者で求職中である場合、要件を満たせば住宅手当の支給を受けることができる。
・京都市以外でも、同様の制度が実施されている。

1.住宅手当制度の概要

 『住宅手当』と聞くと、会社の諸手当が思い浮かびますが、これは、厚生労働省社会・援護局長からの通知によって行われている行政による支援事業の一つです。
 返還不要の手当ですので要件が厳格に定められています。しかし、逆に言うと要件を全て満たしている方は、本当に援助の必要がある方々ということになりますので、制度の存在、要件のあらましについて広く知られる助力になればと出稿する次第です。

2.京都市における要件

京都府主管ウェブサイトの該当ページ

 上のサイトに詳細が記載されていますが、要件を抽出、順序を変更して記載します。

  1. 京都市内に居住又は居住予定の方
  2. 申請者や生活を共にしている同居の親族が、国や地方自治体の類似の制度を利用して貸付や給付を受けていないこと
    (受けている場合は、上のリンクでその受けている制度が除外要件の制度に該当するかどうかをチェックしてください)
  3. 申請者及び生計を共にしている同居の親族の収入の合計額が次の金額であること
    • 単身者:84,000円に家賃額を加えた額未満
    • 2人世帯:172,000円以内
    • 3人以上の世帯:172,000円に家賃額を加えた額未満
    •  重要:但し、申請月の収入が上記の基準額を超えている場合であっても、他の支援や失業給付の終了等によって、翌月から上記基準額未満(以下)になることが資料で証明できる場合、対象となります。

  4. 申請者及び生計を共にしている同居の親族の預貯金の合計が次の額以下であること
    • 単身世帯:50万円
    • 複数世帯:100万円
  5. 平成19年10月1日以降に離職した方
  6. 離職前に主たる生計維持者であった方
    (離職前には主たる生計維持者ではなかったが、申請時には家計維持の中心者となっている場合も含む。)
  7. 就労能力及び常用就職の意欲があり、ハローワークに求職申込みを行う方
    (月1回以上の職業相談、自治体での月2回以上の面接支援、求人先への原則週1回以上の応募等が必要)
  8. 申請者及び生計を共にする同居親族全員が暴力団員でないこと。

3.要件の解説

 上記要件でおわかり頂けるように、完全に無収入である必要はありません。また、家の所有権を有している、いわゆる持ち家の人は対象にはなりません。
 また、併用して利用できない給付としては、以下の二つが挙げられています。

  • 国の住居等困窮離職者等に対する雇用施策による貸付又は給付(就職安定資金融資、訓練・生活支援給付、就職活動困難者支援事業等)
  • 自治体等が実施する類似の貸付又は給付等

 一方、賃貸契約締結における「敷金」などの初期費用の捻出が困難であったり、生活費に困っている場合は、社会福祉協議会の「生活福祉資金」や「つなぎ資金の貸付け」を利用することもできます。

4.必要書類

・申請書
・本人確認書類
・離職関係書類(平成19年10月1日以降に離職したことがわかる書類)
・収入関係書類
・預貯金関係書類

5.まとめ

 このブログではこういった給付関連も紹介するよう心がけていますが、それはやはり、数年前に京都市で起こった事件に起因しています。生活保護申請を断られた男性が自分の母親を殺めてしまった事件です。
 正しい知識をより多く得ることは、自分を守る盾にもなり、他者と渡り合うための貴重な道具にもなります。一生懸命求職しているにもかかわらず職が見つからないなら、このような給付申請は堂々と行えばよいと私は思います。

 ご参考になさってください。